古い道具箱 ~スケッチ用の水彩用具箱~
今回ご紹介しますのは古い道具箱なのです。これは1960~70年代頃に書道の道具入れとして、わたしの姉が使っていたものです。見た目がレトロ感いっぱいで可愛らしかったので、捨てずに保管していた次第です。
硯箱から水彩用具箱へ
今も昔も小学生なら皆んな書道セットを持っていると思います。今の書道セットはバッグみたいな専用の手提げカバンに収まっているタイプで、色もデザインも色々ですよね。それに比べこれは木箱に持ち手が付いただけの無駄のない姿をしていて、書道セットと言うよりは習字箱、いやいや硯箱と言うのがピッタリかもしれません。
1970年代の書道セットは硯と墨、筆や水入れが収まるようになっているコンパクトでシンプルなデザインのバッグでした。女の子は赤系、男の子は青系または黒というヘンテコな決まりがあったと思います。中に収めているものは同じとは言え、木箱タイプは当時でも珍しかったのでは?と思いますが、当時のことを姉もわたしも覚えていないのです。
この箱を見ていてふと思いました、「水彩の道具を入れてスケッチに出かけたら、たいそうオシャレさんなのでは。」と。と言うことで、少しの修理とアレンジをこの箱に施すことにいたしました。
修理とアレンジ
では、修理とアレンジの済んだ道具箱を詳しく見ていきます。
外観は木地を生かしております。底板がだいぶ痛んでいたので新しく張り替え、ヤスリがけをして、全体の色を合わせ、リンシードオイルで仕上げました。
内側は墨汁で黒く塗りつぶされていました。小学生の姉が塗ったのだと思われますが、それが結構良かったので新たな塗装色も黒にしようと思ったのですが、青みのグレーにしてみました。塗料は、OldVillage社の “バターミルクペイント” です。
硯がズレないように仕切りが付いていましたが、ハーフパンのパレットを入れるのには邪魔だったので外しちゃいました。筆を立てるための金具はサビを取り、サビ止めをして、そのまま使うことにしました。
収納の際は筆を立てたまま閉じれば良いのですが、持ち運びの時にガタガタ揺れて穂先が痛んでしまいそうです。そこで、練り消しゴムを使って簡単に固定すればいいかな、と思っております。
どうでしょう、必要な画材だけを入れ気ままにスケッチ散歩に出掛けるのにピッタリの道具箱ではないでしょうか?
留め具、蝶番、取っ手など、もとから付いていたものを使いました。しかし、残念ながらほんの少しだけ新しいものに交換してしまった部品があります。それは “釘” です。金具の固定には小さな釘が使われているのですが、留め具と筆立ての2箇所だけ皿頭タッピングネジに交換してしまいました。
金具類のいくつかには、菱形に “NK” というロゴがあります。たぶん会社名ですよね。でもどこの会社名なのかは、今のところはっきりしたことは分からない状態です。
今も売っている⁉︎
金具のことを調べていて分かったこともあります。なんと、この硯箱は今も販売されているのです!ただし、日本ではなく他の国なのですが…。
どうやら海外の web shop で “suzuri bako sumi set” なる名前で出品されているようです。いや~、驚きました。姉が使っていたこの古い箱も、どなたかにいただいたお土産だったのでしょうか?謎は深まるばかりです。
終わり
以上で古い道具箱の紹介を終わります。そもそもこの箱を長い間取っておいたのは、わたしが “箱” 好きだからなのです。お菓子の箱なども意味なく取っておいてますし、自分で作ったりもします。
箱という物体は、それ自体に物語があるように思うんですよね。またの機会に “箱の魅力” についてや、“オリジナルの箱” のことなどを紹介したいと思っています。ではでは~。