作品 no.3 “モヤモヤした想いは揺らめく色彩のように”
3点目の作品紹介になります。前の2点が気になる方は、メニューバー ”laboratory” から、または下記のブログカードからもご覧になれます。
水彩画です
さて今回ご紹介する作品は “モヤモヤした想いは揺らめく色彩のように” です。円形にカットした紙に透明水彩、パステル、色鉛筆を使い描いたものです。
いつものことですが、わたしにとって素材は単なる画材ではなく、絵画制作の思考そのものなのです。絵具を塗ったり削ったりしながら “表すかたち” を探っていくための 脳みそみたいなものなのです。
透明水彩絵具はシュミンケ社のホラダム、パステルもシュミンケ社のを使ってます。色鉛筆はファーバー・カステル社のポリクロモス、ポリクロモスは油性の色鉛筆です。巷では水彩色鉛筆の人気が高い気がしますが、わたしは断然油性派です。
シュミンケ / 丸善美術商事HP:https://www.maruzen-art.co.jp/schmincke
ファーバー・カステル公式HP:https://www.faber-castell.jp
神秘的なもの
いつからでしょうか、ユニコーンが登場する作品を描くようになりました。
私はよく猫や鳥をモチーフにした作品を描きますが、これらの動物を選ぶ理由として “神秘的である” ということが挙げられます。音もなくそっと近づいて来て気まぐれに去って行き、深い深い湖のような瞳をした猫。前足や腕とは異なる “翼” を備え、大空を飛行することができる鳥。どちらもこの上なく神秘的です。
ユニコーンはそもそも伝説上の生き物で、それだけで神秘的なのですが、見た目と違い非常に獰猛な性質、ヤギの髭にライオンの尾、そしてふたつに割れた蹄、やたらと長く強靭な角、寄せ集めのチープなルックスがさらに神秘性を高めていると思うのです。
最近はめっきり描かなくなりましたが以前はバクをモチーフにしていたこともありました。伝説上の獏と同じように、本物のバクも全体のパーツが寄せ集めっぽくてヘンテコで神秘に溢れてますよね。あとキリンもよく描きます。キリンも麒麟という伝説上の生き物の存在がありますから、見ているだけで作品の構想が湧いてきます。
ウォーターフォード
今回使用した水彩紙は “ウォーターフォード” の 190g/㎡. 細目です。
ウォーターフォードに関しては作品紹介の記事 『作品 no.2 “透明な水、そして空気”』でも解説していますが、英国製の水彩紙で、紙肌の種類(荒目 . 中目 . 細目)は普通ですが、厚さの種類(190g/㎡ . 300g/㎡ . 356g/㎡ . 425g/㎡ . 638g/㎡)に幅があるのが特徴的です。
厚さのラインナップに638g/㎡というベニア板級があるのが面白い点で、「キミはどんな使い方をしてくれるんだい?」とアーティストに問いかけてくるような、退屈な表現を拒否するかの如く挑戦してくるような、妙な圧力を掛けてくるのです。
ウォーターフォード水彩紙:https://holbein-shop.com/?mode=grp&gid=1798197
作品データ
作品タイトル:モヤモヤした想いは揺らめく色彩のように
制作年:2021
素材:透明水彩/パステル/色鉛筆/ウォーターフォード水彩紙
サイズ:φ150mm