スケッチ散歩に出かけましょう!モチーフ編

 前回の『スケッチ散歩に出かけましょう!持ち物編』を書いた後で、実際に近所の公園でスケッチをしてきました。あらためて感じたのですが、何を描くかを決めるのは案外難しい事でもありますね。

松ぼっくりのイラスト

どんなことでも自分で決めるというのは、結構面倒で骨が折れる仕事です。誰かが決めてくれれば楽なのですが・・・。

ということで今回は、何を描いたらいいのかについて書いていきます。

合わせて『スケッチ散歩に出かけましょう!持ち物編』もお読みください!
https://okuakistudio.com/lets-go-sketching-tools/

YouTubeでも『スケッチ散歩』の動画を公開しています!
https://youtu.be/YBXIWegi7Fg

きっかけ作りをしましょう

 描く対象物のことをモチーフと言ったりします。これは元々フランス語なのですが、日本ではARTに関わる用語がフランス由来の事が多いです。デッサンとか、アトリエとか。

本来モチーフは、対象物というより描くきっかけや理由のことを指します。ですので、スケッチのモチーフを決めることは、描くきっかけを作る事でもあります。

画用紙に鉛筆を走らせるきっかけを見つけるのです。

目に留まった物や風景

 モチーフは何でも良い訳ではありません。画用紙に鉛筆を走らせるきっかけなのですから、やっぱり素敵なものを選びたいですよね。

散歩をしていると、その時々の光や空気の違いを感じることがありませんか?季節、時間、天気など、日々変化していますよね。1日として同じ日は無いのですから、物の見え方や感じ方も昨日と今日では全く違います。

昨日はキレイだと思ったお花が 今日は普通に見えたり、誰の気にも留まらない街並みが 夕日に照らされた時だけ特別な美しさを発揮したり、こういった事って結構あると思うのですが、いかがでしょう?

三枚の落ち葉とスケッチブックと鉛筆

 あやゆるモノやコトの感じ方は受け身一貫ではいけません。自ら感度を上げていきましょう。要はいつもARTのアンテナを張っていてほしいのです。

ARTのアンテナを張りながら散歩をしていれば、ふと目に留まった物や風景は 充分に描くきっかけとなるはずです。

広い空間、狭い空間

 目に留まるのは、遠くの家並みや木々だったり、一本の樹木や一台の自動販売機だったり、足元の草花や小石だったりと、遠景、中景、近景に見える様々なサイズの物です。

もちろん、それら目に留まる物を描いていけば良いのですが、中でもオススメしたいのが近景の草花や小石、どんぐりや落ち葉、海だったら貝殻や流木など、両手に収まるサイズの物になります。

草生茂る緑色の地面と黄色い落ち葉

両手サイズの物は、それを取り巻く空間が狭くて小さいです。対して、遠くの街並みなどを取り巻く空間は広くて大きいです。空間が広いとそれだけ認識しなければならない情報も広く大きくなるということです。

ケッチ散歩には小さいスケッチブックの使用をオススメしています。ですので、広くて大きな空間を抱える物をモチーフとして選ぶと、スケッチブックが小さすぎて少々難易度が上がってしまうのです。

以上の理由から、オススメは両手に収まるサイズの様々な物、と言う事になります。

花壇の花、雑草、樹木の花や葉や枝や樹皮、大きなものの部分、落ち葉、どんぐりなどの果実や種子、昆虫、セミの抜け殻、野鳥、石ころ、などなど

描く時間よりも枚数を

 モチーフが決まったらどんどん描いていきましょう。持ち物は鉛筆もしくはミリペンだけをオススメしていますので、画材を選ぶ手間は省けていますよね。

一枚にかける時間は最大で一時間です。そのスケッチが仕上がっていなくても、次のモチーフを描くことへ気持ちを切り替えて、できれば2、3枚描けると理想的なスケッチ散歩になります。

描く事に慣れてきたら、モチーフも広い空間を伴うものに変えてみてください。

・目に留まった物や風景
・両手に収まるサイズの物
・一枚1時間以内
・できれば2、3枚描く

今回は、スケッチ散歩のモチーフ選びについて紹介しました。