色鉛筆を比較してみました

日頃わたしは3社の色鉛筆を使っています。

Faber-Castell / polychromos
Holbein / Artists’ Colored Pencil
CARAN d’ACHE / Pablo

今回はこの3社の色鉛筆について解説していきます。

大きな違いはありません

色鉛筆のイラスト

 最初にお伝えします、この3社の色鉛筆には大きな違いはないんです。

どれもアーティスト用に作られた高品質の色鉛筆ですから、耐光性、耐久性に優れています。いずれも芯は柔らかめ、顔料分は多く発色は良好です。

繊細に使ったり、荒々しく使ったり、描き手の好みに合わせて操ることが可能です。どれを選んでも作品制作する上で満足できるはずです。

でも全く同じではないので、微妙で微力ではありますが、わたしが感じた3社の色鉛筆の使用感をお伝えいたします。

同テーマの動画を公開しています。よろしければご覧ください。

Faber-Castell / polychromos

 ファーバーカステルの油性色鉛筆はポリクロモスという名前です。色数は全120色、わたしは20年以上前に100色セットを購入し、それ以来ずっと愛用しています。

120色の中には 買った当時のものも残っておりますが、現在も問題なく使えております。年月が経っていても外観はもちろんのこと、芯の質や色も変わっていないです。これは安定している証拠だと思うのですが、どうでしょう?

まあ、まだ20年ですが、、、でもこれから買おうかと検討中の人には、リアルな情報だと思います。

色が紙に乗る感覚は、きめ細やかでとてもスムーズ、ひっかかることはありません。芯には粘りもあります。ネバネバべとべとしている訳ではなく、折れにくいという意味の粘りです。

徐々に塗りを重ねて濃くしていくと表面に少しずつ、若干ではありますがテカりが出てきます、これは色鉛筆の芯の中にメディウムとしてワックスが入っているからだと思います。

濃く塗りつぶすために、かなり力を入れて重ねていますが、滑ってしまうことなくしっかりと塗ることが可能です。顔料がふわふわと重なっているのではなくしっかり定着しながら色の層が重なっていく感じです。

Holbein / Artists’ Colored Pencil

 日本の画材メーカーであるホルベインからは、アーチスト色鉛筆という名前の油性色鉛筆が製造されています。色数はなんと全150色で、ラインナップにパステル色が揃っているところが特徴だと思います。

また、この色鉛筆を手に取ると、握りやすさを感じます。少し太めの軸なので長時間描いていても疲れにくいです。ポリクロモスも同じくらいの軸の太さですが、ほんのちょっとだけアーチスト色鉛筆の方が太い様な気がします。

持ちやすい、使いやすい、疲れないなども画材選びの欠かせない条件です

肝心の塗りですが、他二本と比べ「モチっと感」があると思います。しかし粘りは感じません。紙に描いている時はさらさらしているのですが、イメージ的にモチっと柔らかく湿度がある感じがします。そのためか、紙の凸凹を拾います。この感じは他と明らかに違います。

徐々に塗り重ね濃くしていくと、ポリクロモスと同じ様にテカリが出現してきます。ツルツルして滑ってしまうことなく、色はしっかり重なって濃い色面を作ることができます

CARAN d’ACHE / Pablo

 カランダッシュの油性色鉛筆はパブロという名前です。これはカランダッシュの愛用者だったパブロ・ピカソからつけたそうです。

色数は全120色で、ポリクロモスには少ないパステル色がラインナップされています。

形状は鉛筆らしい形の六角形、他のはコロコロ転がっちゃってもパブロだけは転がりません。柔らかめの色鉛筆は芯が太いので、落下防止の配慮が施されたこのデザインはありがたいものです。

ちなみにパブロもポリクロモスもアーチスト色鉛筆も、芯の太さは3.8mmあります。

パブロの塗り心地は、柔らかく滑らかです。そして軽いです。一生懸命ガシガシ使わなくても、楽に塗り進んでいける感じがします。グラデーションも作りやすいです。塗りかせねていくと他2本と同じく、テカリは出てきますが、やはり滑ってしまうことはなく、しっかり重なっていきます

グラデーションと重ね塗り

 グラデーションと重ね塗りのサンプル画像を貼っておきます。

 色名が同じでも色味の違いがあるのは、各社で使用している顔料の違いがあるからです。また、実際の色味とも違いがあります。

色鉛筆で塗ったグラデーション
Olive Green によるグラデーション

 オーカー系、オリーブ・グリーン系、レッド・ヴァイオレット系を、この順番で塗り重ねたサンプルです。しっかりと色が重なっていることが分かるかと思います。また、デザインカッターなどの先端を使って、引っ掻いて下の色を見せることもできます。

色鉛筆三色の重ね塗り
3色重ね塗り

価格

 最後にこれら色鉛筆の価格ですが、2020年現在の単品税込価格を記します。

ポリクロモス / ¥330 アーチスト色鉛筆 / ¥253  パブロ / ¥352 となります。この価格を見ると高級品なのが分かると思います。

このクラスの色鉛筆購入をご検討中の方、セットの購入になると結構な高額になります。できれば お好きな色を2、3色購入して、ご自身で実際に比較をしてみることをオススメします。

・ポリクロモス / 1本/ ¥330
・アーチスト色鉛筆 / 1本/ ¥253
・パブロ / 1本/ ¥352

 100均に行けば、110円で12色の色鉛筆セットが買えますが、一生大切に使っていけるお気に入りの色鉛筆を 高額で買う方がステキです。その方が確実に描くことを楽しめますよ。