“モンドリアン展 ~純粋な絵画をもとめて~” チケット購入から楽しみ方まで
4月7日水曜日、新宿のSOMPO美術館で6月6日まで開催の “モンドリアン展 ~純粋な絵画をもとめて~” を見てまいりましたので、チケットの購入、混雑具合、モンドリアンと作品、注目点、をお伝えしていきたいと思います。
オンラインチケットの購入
チケットは SOMP美術館の公式webサイト内の公式ページから購入します。
ページの下の方へスクロールしていくと “オンラインチケット” の項目に “チケットの取得はこちらから” というのが出てきますので、そこをクリックして “日時指定オンラインチケット” を開いてください。ここには観覧料や注意事項、チケットの受け取り方法、支払い方法などの説明が書かれていますので、購入前に必ず目を通すことをオススメします。
目を通したらページの先頭へ戻り、赤で示された “チケットを申し込む” をクリックしてください。するとカレンダーと詳細が示されたページが開かれますので、カレンダー上で希望の日にちを選択し、次に “ご来場時間を選択して下さい” から希望の時間を選び “チケット選択” をクリックします。
チケット枚数のページが開きます。購入したいチケットの枚数を入力し “チケットを選択する” をクリックします。すると確認ページが開きますので確認して “次へ” へ進んでくでさい。
“お客様情報” のページが開きますので、必須項目に入力していきます。“イーティックスオンラインチケット利用規約” に目を通し、同意のうえ申込むにチェック入れて “チケットを申込む” をクリックして支払いを済ませます。支払いはクレジットカードまたはd払いとなります。
支払いを済ませると申込完了画面になり、“お客様情報” で入力したメールアドレス先にメールも届きます。完了画面、メール、どちらからも “QRコードチケット” を開くことができますので、プリントして持って行くも良し、スマホで画面表示するも良し、お好きな方をお選びください。
会場の様子、混雑具合は?
モンドリアン展は3月23日から開催されています。わたしは4月7日水曜日の13:00~13:30入場指定のチケットで見に行きました。開催から三週目の水曜日の鑑賞ということもあり 混雑はしておりませんでしたので、とてもゆったり鑑賞することができました。
水曜日、木曜日というのは週の谷間なので、展覧会や個展などの展示は比較的客足が少ない曜日でもありますよね。平日に時間が取れる方にはオススメの曜日です。
会期の後半、特に終わりに近くなってきた頃、TVなどで取り上げられた後、などは混雑が予想されますので、気になっている方は早めにご覧になると良いかと思います。
会場は5階から第1展示室、4階第2展示室、3階第3展示室の3つの展示室に分かれ、ほぼ年代順にモンドリアンの作品が展示されています。また彼の絵画理念でる新造形主義を軸にした “デ・ステイル” によるプロダクトデザインやシュレーダー邸の紹介映像、加えて(モンドリアンを紹介した)様々な書籍や図録展示もあります。
そして、とてもシーンとした空間なので出品リストを折りたたむ音さえ響き渡ります。不都合でなければスマホの電源を切っておくと絵画鑑賞に集中できると思います。
モンドリアンと作品
ピート・モンドリアン(1872-1944)は、オランダの画家です。アムステルダム、パリ、ロンドン、ニューヨークと拠点を移しながら作品も進化させていきますが、ARTのためだけの気ままな住処変更ではなく、その背景には二つの世界大戦が関わっています。
モンドリアンの作品はたぶん多くの方々が一度は目にしたことがあるはずです。それは “コンポジション” というシリーズ作品で、水平と垂直の黒いラインで仕切られた正方形や長方形に赤や黄、青などの色が配置されている「何だかよく分からないけど見たことがある絵」です。
この “コンポジション” はテキスタイル、プロダクト、建築など、デザイン領域にセンセーショナルな影響を与え、現在でもそれは色褪せていません。そういったこともあり、「何だかよく分からないけど見たことがある絵」なのです。
モンドリアン絵画がこういった表現に至った経緯は、年代順に並んだ作品を見るだけでは残念ながら分かりません。SOMPO美術館さんが悪いのではなく(むしろ思考を凝らせて、見やすく、受け入れやすく展示してくださっています)、そもそも芸術作品とは、何かを説明しているものではないので、分かりにくいのが当たり前なのです。そして、見る人全てが同じ解釈をする必要のないものでもあります。
とはいえ、せっかく見にいくのだからモンドリアンの作品を見やすく、受け入れやすくしておきたいですよね。そんな時に一番手っ取り早いのが展覧会図録の購入で、事前に読んでおくことは良き選択だと思います。図録自体のデザインも “デ・ステイル” らしく余分な要素を排除しつつ、水平と垂直そして赤黄青でコンポジションされています。
図録で予備知識をつける他に、とてもオススメな書籍があります。それは《 “中・高生のための現代美術入門 -●▲■の美しさって何?- ” 本江邦夫 著 平凡社ライブラリー 2003年12月10日初版》です。この本の中に “モンドリアン” について書かれた章があります。著者の本江さんが書く文章は、説明的でガチガチではなく とても頭に入りやすいです。しかし残念ながらこの本は絶版らしく、amazonなどでも古書しか扱っておりません。古書を探して購入するか、図書館などで探してみてください。
作品鑑賞のための注目点!
モンドリアン展は展示作品数が多くないので、一点一点時間をかけて鑑賞しても疲れずにすむと思います。それでもどんなところに注目すべきか、という方々にふたつの注目点をご紹介します。
ひとつ目は、“モンドリンは絵画を描き続けている” という点です。初期作品からコンポジション・シリーズまで、モンドリアンは筆を使って制作し 画面に筆触を残しています。コンポジション・シリーズなどのミニマムな表現に筆触は必要ないのでは?と思ってしまいますよね。
初期の具象表現の時ならば何ら不思議はありませんが、抽象化が進み《格子のコンポジション8 -暗色のチェッカー盤コンポジション-》あたりでは筆触を残すことに微かな疑問を感じます。しかし《大きな赤の色面、黄、黒、灰、青色のコンポジション》《赤、青、黒、黄、灰色のコンポジション》《コンポジション No.1》《線と色のコンポジション:Ⅲ》と筆触に注目したまま見続けていると「筆触には意味があるのかも?」と感じ方が変化してくると思います。
キャンバスや板などに絵具を使って描く、というクラシカルなスタイルから外れずに 自身の表現を追求し続けた真摯な姿勢が伝わってくるはずです。
ふたつ目は額縁です。コンポジション・シリーズなどに付けられている白い箱額は、現在よく見かけるシンプルな箱額の元祖だと思います。
この額縁はモンドリアン自身が提案したものなのか、作品の多くを所蔵しているオランダのデン・ハーグ美術館が考えたものなのか、勉強不足で不明なのですが(すみません…)、とにかく作品に合っているのです。モンドリアンはアトリエの壁を白く塗っていたこと、作品のコンポジション(構図・構造)を破壊しないこと、を考慮したすばらしい額だと思います。
モンドリアン展 ~純粋な絵画をもとめて~ 概要
モンドリアン展 ~純粋な絵画をもとめて~ 公式webページ:https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/mondrian/
会場:SOMPO美術館
会期:2021年3月23日(火)〜6月6日(日) 日時指定入場制
休館日:月曜日 ただし5月3日(月・祝)は開館
開館時間:10:00〜18:00
※概要は展覧会フライヤーから使用させていただきました。観覧料など詳しくは展覧会公式webページをご確認ください。