話題の展覧会 “あやしい絵展” で、日本美術の面白さを知りましょう!

2021-04-09

あやしい絵展の看板を持つ人のイラスト

お花見の季節も合わさり、人気です!!!

 今月の23日から東京国立近代美術館で開催が始まった “あやしい絵展”、興味があったのでさっそく見に行って来ました。わたしが訪れたのは曇り空の3月25日、竹橋の桜はまだまだ蕾も目立っていましたが、土日にはきれいに満開になりそうです。

完全なる満開ではないにしても、北の丸公園の向こう側、武道館がある側は千鳥ヶ淵や靖國神社と桜の木がいっぱいなので、たぶんお花見目的の方々が行き交っていたと思われます。対して、こちら竹橋側は展覧会を見る人や見終わった人が行き交っておりました。あやしい絵展、結構人気です!

チケットはオンラインで

 入場券は展覧会公式HPのオンライン予約優先チケットから購入しました。美術館窓口でも購入可能だと思いますが、チケット購入や開催日時に関しては、あやしい絵展の公式HPを必ずご確認ください。窓口販売は行わない日時や、逆に窓口販売のみの日時があったりしますのでご注意ください。

会場内の様子は?

 チケット予約販売で人数が制限されているのでごった返してはおりませんでしたが、音声ガイド付きの作品の前に人はどうしても数人立ち止まる傾向にありました。それでもソーシャルディスタンスを心がけて、おのおの芸術鑑賞を楽しんでおられました。

わたしは今回も “vixen短眼鏡” を覗きながらじっくり鑑賞してまいりました。こんなときだからこそ短眼鏡は“持ってて良かった”ものになると思いますよ。展示終了出口すぐに設置してあるグッズ販売にもvixen短眼鏡が置いてありました。

“あやしい絵展”の感想

 “あやしい絵展” の感想ですが、たいへん見やすい展覧会だと思います。

ここ数年、“へそまがり日本美術展”(府中美術館2019年3月16日-5月12日)、“はじめての古美術鑑賞 -絵画のテーマ-”(根津美術館2019年5月25日-7月7日)、“日本の素朴絵 -ゆるい、かわいい、たのしい美術-”(三井記念美術館2019年7月6日-9月1日)、など、分かりやすいテーマを掲げた企画が多くなっておりますが、“あやしい絵展” もその仲間に入ると思います。どれも美術に特別関心のない方、難しいと思っている方、日本美術に興味のない方など、今まで美術館のお得意さまではなかった方々を美術の世界へ引き込み、芸術を楽しむことを受け入れやすくした展覧会です。

わたしが一番感じたのが、“日本美術への関心を高めたい” という美術館サイドの熱い思いです。日本の美術、特に今回の企画で取り上げている “幕末から昭和初期” の作品は、それ以前の作品と比べると注目度が低いと感じます。わたしの勝手なイメージは “煤けてる” なのですが(ごめんなさい!)、そんなネガティブなイメージの中にほんのりポジティブな面も見出すことができました。

幕末から昭和初期は遠い昔ではなく、結構近い昔です。その時代の芸術家たちが新しい時代を受け入れ、新しいメディアに挑戦し、あらゆるアイデアをかたちにしていったそのポジティブさの裏に、時代が近いがゆえにネガティブな空気感をどうしても感じていたのでした。そしてその空気感こそが “あやしい” なのだと思います。

オススメの鑑賞方法

 展示は、《1章 プロローグ 激動の時代を生き抜くためのパワーをもとめて(幕末~明治)》、《2章 花開く個性とうずまく欲望のあらわれ(明治~大正)》、《3章 エピローグ 社会は変われども、人の心は変わらず(大正末~昭和)》、という三つのテーマに分けられています。

作品数は【絵画、版画、雑誌や書籍の挿絵など約160件( “あやしい絵展” 図録より)】と多数ですので、全てを全力で鑑賞するとグッタリ疲れてしまいます。

 よくあるアドバイスですが、最初はさーっと流し見をすることをオススメします。そしてもう一度最初の展示作品へ戻り、気になった作品だけをじっくり見ると疲れずに済みます。図録を先に購入して、事前に気になる作品を決めておいても良いかもしれません。しかし図録は¥2,800ですので、節約家の方には痛い出費だと思いますので わたしが独断で選んだオススメを発表いたします。

・稲垣仲静(Inagaki Chusei)さんの絵画
・甲斐荘楠音(Kainosho Tadaoto)さんの絵画
・邦枝完二(Kunieda Kanji)さん著 / 小説 “おせん” の挿絵

以上でございます。展示会場で探してみてください!

稲垣仲静が描いた猫の絵
稲垣仲静 “猫” 1919年頃 あやしい絵展より

 なお、作品の中には期間限定展示もあるようですので、「見たい」と思っていたお目当ての作品が、会場に訪れた時に「無い!」ということがあるかもしれません。ご注意を!

展覧会概要

あやしい絵展 公式HP:https://ayashiie2021.jp

会場:東京国立近代美術館 一階企画展ギャラリー

会期:2021年3月23日(火)〜5月16日(日)

開館時間:9:30〜17:00(金・土20:00)入館は閉館の30分前まで

休館日:月曜休館(ただし3月29日、5月3日は開館)、5月6日(木)休館

※概要は展覧会公式HPから使用させていただきました。観覧料など、ここに記載していない情報は“あやしい絵展”公式HPをご覧ください。