初心者でも簡単!色使いの方法

わたしは美術の先生もしているのですが、よく「色感を良くするにはどうしら良いのですか?」という質問を受けます。今回は、この質問への回答を二つ紹介します。

青と黄の色鉛筆のイラスト

色使いに困ることは誰でもある

「色感を良くするにはどうしら良いのですか?」という質問は、言い換えれば「色使いが上手くなりたい」ということだと思っています(違うのかな?)。誰だってキレイにセンスよく色を使いたいですよね。もちろん、わたしもそうです。そして今でも、色使いに困ったり考え込んだりすることは頻繁にあります。

色は人それぞれ感じ方が違いますから、色感を良くするにしても『何に対してどんなふうに良くするのか』をハッキリさせることが大切です。この『何に対してどんなふうに良くするのか』をキーワードに、お話を進めていきます。

ひとつ目、似た色でまとめる

違和感なく 心地よい色使いに見せるには、ズバリ!同系色でまとめることです。ハッキリ言って、これが一番簡単で確実な方法です。赤系、青系、緑系、黄系、茶系など、「〜系」にすることで、とってもスマートな色使いに変化しますよ。同系色であれば絵具を重ねたり にじませたりした際に、汚くなってしまうことは無いです。ただ、やりすぎには注意が必要ですが。

身の回りの色をあらためて見てみると、同系色でまとめられているものが多いことに気づくはずです。この色使いは、多くの人が違和感を感じることなく、すんなりと受け入れてくれる、最も優れた配色なのです。これは、最初に言ったキーワードの『何に対してどんなふうに良くするのか』の「何に対して」をクリアしてくれます。「多くの人に対して」受け入れられる色使いなのですから。

ふたつ目、お手本を見つける

もうひとつ提案するのは、色使いのお手本を見つけることです。「この配色キレイだな」とか「こういう色使いの絵を描きたい」という、手本になるものをいくつか探しましょう。

「いくつか探す」というのがポイントです。ひとつではなく いくつか探すことで、自分がどういった色使いが好きなのかがハッキリ浮上してきます。キーワードの中では「どんなふうに」に当たる部分になります。この部分が漠然としていることが「色を上手く使えない」理由だったりするので、真剣に探してみてください。

あのパブロ・ピカソだってこう言っています。

Good artists copy, great artists steal.

pablo picasso

そしてここで大切なことをひとつ、あなたが絵具や色鉛筆などの画材を使って描くなら、お手本は画集やプリントした写真、または本物の絵にすることをオススメします。

PCやタブレットでの画像収集は便利ですが、ディスプレイ上のモニター色と、紙やキャンバス上の絵具色とでは、色の性質が全く違うからです。絵具は物体色、モニターは光源色ですので、お手本がお手本でなくなってしまいます。これについては別の機会に書こうと思いますが、とにかくアナログ絵画のお手本は、なるべくアナログでお願いします。

色鉛筆を活用しましょう

実際に色を使い始めるときに便利なのが色鉛筆です。筆や水を準備しなくても紙があればすぐに描き始めることができます。それに、色鉛筆自体を並べて、配色を目視することもできます。

そして色に慣れるには、色をどんどん使ってみることです。練習だったら紙はなんでもいいと思います。コピー用紙でも、100均のスケッチブックでも、白ければなんでもいいです。ただし、描いた絵を捨てずにとっておいてください。あとで自分の色使いを見るためです。

色使いを自分のものにしましょう

この記事を読んでくださったあなたは、色使いに目的ができました。「同系色でまとめる」ことと「お手本を真似る」ことです。この目的があれば、なにか具体的なものを描かなくても紙に色を塗っていくことができます。あとはとにかく手を動かしましょう!

そして描き終わった自分の色使いを見て、目的を達成できているか確認してください。そしてまた新しい紙に色を塗っていきましょう。

時間がある時にこれを繰り返すことで、だんだん色を使うことに慣れてきます。そしてその頃には、あなたはもう「色使いが上手くなりたい」と悩んでいたことを忘れているはずです。