作品no.8 “心をひらく時”

 こんにちは、OKUAKI STUDIO です

奥秋由美(OKUAKI STUDIO)の絵画作品

今回は作品紹介です。2023年に制作した “心をひらく時” について解説します。この作品は2024年6月14日から24日までPIA展(GALLERY O-TWO)で展示されます。

センス・オブ・ワンダー

 “心をひらく時” はレイチェル・カーソンの著書  “センス・オブ・ワンダー” からイメージした作品です。心の目を開き今まで使ったことのない、と言うか使わずにしまっておいた感覚を呼び覚ましていくような、そういった感じ方を絵にした作品です。たとえば指先で何かに触れたときの感覚を身体中に広げてみたり、何度も目を閉じたり開いたりして見えることの不思議を楽しんだり、耳だけではなく全身で聞こえてくる全ての音を聞こうとしたり、胸いっぱいに空気を吸い込んで鼻毛と肺の存在を確かめたり。特別ではないあたりまえの行為を “感じてみる” ことはお金のかからない最高の遊びであり、何かを表現したくなる原動力でもあります。わたくしは常日頃そんなセンス・オブ・ワンダーな感覚を鈍らせないように気をつけておるのです。

奥秋由美(OKUAKI STUDIO)の絵画作品
“ 心をひらく時 ” 2023年制作 333×242mm シナ合板・綿布・白亜地・練り込みテンペラ・アルキド樹脂絵具

 この作品は練り込みテンペラで制作しました。テンペラは自分で作る絵具です。わたくしの表現にはこの “自分で作る” という点が重要なのです。一見手間とも捉えられる作業ですが、絵具を作っている時間は様々な想像の時間でもあり、ここにもセンス・オブ・ワンダーがあるのです。

作品データ

タイトル:心をひらく時

制作年:2023年

素材:シナ合板・綿布・白亜地・練り込みテンペラ絵具・アルキド樹脂絵具

サイズ:333×242mm